A 大企業のみがもうかる仕組みだから。
企業は、消費税を売上代金に上乗せできれば、消費税の負担はゼロです。例えば、100万円の車だと、消費税5万円を含む105万円で販売します。車の仕入が80万円だとすれば、仕入については消費税4万円で合計84万円の支払いとなります。消費税の申告は、売上で消費税5万円を集金し、仕入で消費税4万円支払うため、差引1万円の申告・納税となり、企業の負担は実質ゼロとなるわけです。
しかし、中小企業では大企業のように売上げに消費税を転嫁できない業者が7割もあり、身銭を切っています。大企業から下請単価切り下げを強要され、このうえ増税では商売が続けられません。
一方でトヨタなどの輸出大企業は、国から消費税還付を受けています(輸出戻し税)。商品を輸出した場合、国内仕入れでかかった消費税分がそのまま戻ってくる仕組みになっており、トヨタ自動車の場合2106億円にもなります。消費税が10%になれば、黙っていても4000億円超が転がり込んでくるのです。「消費税は公平な税金」と言いますが、輸出大企業は1円も負担していないのです。