会計年度任用職員等の自治体非正規職員の賃金・労働条件の改善に向けた緊急申し入れ

愛知県知事 大村秀章 様

愛知県労働組合総連合
議長 西尾美沙子

愛知県医療介護福祉労働組合連合会
執行委員長 渡邉 一

愛知県教職員労働組合協議会
議長 岩澤弘之

愛知県高等学校教職員組合
執行委員長 加藤聡也

愛知県国家公務関連労働組合共闘会議
議長 國枝 孝幸

全日本建設交運一般労働組合愛知県本部
執行委員長 田村一志

日本自治体労働組合総連合愛知県本部
執行委員長 林 達也

 日頃、県民のいのちと暮らし、自治体職員の生活と勤務条件の改善に向けてご尽力いただいていることに敬意を表します。

 ご承知のとおり、物価高等により県民・自治体職員の生活は極めて厳しいものとなっています。とりわけ、低賃金と劣悪な労働条件の下に置かれた自治体非正規職員にとって二重の苦しみをもたらしています。

 こうしたなか、今年度の人事院勧告は官民格差0.96%・3,869円の引き上げ、愛知県人事委員会勧告は同1.05%・3,988円の引き上げとし、ともに会計年度任用職員等の賃金ベースとなる初任給を重点としました。加えて、総務省は、5月2日、会計年度任用職員の給与の取り扱いについて、「改定の実施時期を含め、当該常勤職員の給与の改定に係る取扱いに準じて改定することを基本とする」通知を出し、10月2日の総務省副大臣通知でも同主旨の通知を改めて出したところです。

 言うまでもなく、人事院・人事委員会勧告制度は、労働基本権制約の代償として、民間労働者の春闘における賃上げ状況を4月時点で調査し、官民比較を行い、公務員の生活改善につながるよう勧告する制度です。そのことは当然、正規・非正規を問いません。こうした人勧制度や総務省の繰り返しの通知にもかかわらず、プラス勧告を正規職員のみ遡及し、非正規職員は遡及せず、翌年度へ先送りすることになれば、非正規職員の生活は守られないばかりか、人勧制度そのものを自ら否定することになりかねません。

 また、4月の法改正により、来年度から会計年度任用職員にも勤勉手当の支給が可能となりましたが、総務省は「単に財政上の制約のみを理由として勤勉手当の支給について抑制を図ることや、新たに勤勉手当を支給する一方で給料、報酬や期末手当について抑制を図ることは、改正法の趣旨に沿わないものである」と助言しているところです。

 加えて、会計年度任用職員は、その任期は1年とされ、総務省は、平等取扱いの原則と成績主義の原則を理由に、3年ごとの「公募」を助言していることにより、当該会計年度任用職員の雇用と身分は極めて不安定なものとなっています。

この総務省の論理に従うならば、例えば、公立保育園の待機児童に平等に入園する機会を付与するため、定期的に園児をやめさせなければならないのでしょうか。あるいは、病院の病床数が少なく入院できない患者に平等に入院する機会を付与するため、定期的に入院患者を強制退院させなければならないのでしょうか。このようなことは、社会通念上通用するはずもありません。もとより、会計年度任用職員は最初に採用される際、公募によって採用されており、地方公務員法は無論のこと、総務省の言う平等取扱の原則を十分満たしているのです。

 以上のことから、以下のことについて実現していただきますよう緊急に申し入れます。

1.今年度の給与改定にあたり、正規職員のみならず、会計年度任用職員についても4月に遡及すること。

2.改正地方自治法を踏まえ、全ての会計年度任用職員に早急に勤勉手当を支給すること。なお、その際に、勤勉手当の支給月数を抑制することや月例給、期末手当を削減しないこと。また、必要な財政措置を国に求めること。

3.改訂総務省「事務処理マニュアル(第2版)Q&A」の「問6-6」に鑑み、公募によらない再度の任用回数の制限をしないこと。

4.上記について、県内の市町村に対しすみやかに助言をおこなうこと。

以上

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