【声明】労働者を使い捨てにする派遣法の改悪に抗議する

本日の参院本会議で自公与党の多数により労働者派遣法「改悪」が議決されました。

2008年から2009年にかけ、愛知県では日本一の「派遣切り」が行われました。トヨタの奥田会長が日本経団連の初代会長になった直後、製造業への労働者派遣が解禁され、トヨタの下請けにも派遣労働者が使えるようになりました。トヨタから毎年単価引き下げを強要される中小企業は派遣労働者に頼らざるをえず、愛知県には全国から「出稼ぎ派遣」が集中しました。人手不足は外国人労働者の条件を緩和し、海外からの出稼ぎ労働者の多くも派遣切りにあいました。

この「派遣切り」によって同じ会社で何年も働いてきたのに、突然クビを切られ同時に「寮」を追い出されました。「職」と「住まい」を同時に失った労働者が愛知県内外から中村区役所に押しかけ、生活保護を求める人の列が連日区役所をとり囲みました。

私たちは「派遣村実行委員会」に参加して県内各地で「派遣村相談会」を開催しました。また、三菱電機で働いてきた派遣労働者は三菱電機と派遣会社を相手に裁判を起こしました。当時の派遣法には強制力がなかったため、三菱電機は期限を越えて使っても直接雇用の申し入れを行いませんでした。

この「派遣切り」が社会問題となり、政権交代によって派遣法が改正され、今年の10月1日から「みなし雇用」制度が施行されることになっていました。ところが財界からの要求によって厚労省は「この制度が施行される前に」と再「改正」法案を提出しました。この「改正」は派遣労働者を使うだけ使い、いらなくなったらいつでもクビを切れるようにする大改悪です。三菱電機派遣切り裁判の原告Tさんは名古屋で開催された参院公聴会で「あのときに今の派遣法があれば私はクビを切られなかった」「あの改正は再び派遣切りを起こさないためだったのではないのか」と証言しました。

政府が提出した法律を施行させないために「改正」するなど全く理屈が通りません。しかも再三の不手際により9月1日施行に間に合わず、9月8日に自民党の動議によって施行日を施行前日の9月30日に修正してまで強行実施するという暴挙を行いました。絶対に許せません。

私たちはこの暴挙に対し断固抗議します。

 

2015年9月9日

愛知県労働組合総連合
第3回幹事会

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