第86回愛知県中央メーデー主催者あいさつ(要旨)

第86回愛知県中央メーデーにご参加のみなさん。お疲れさまです。

メーデー実行委員会を代表してご挨拶をさせていただきます。

今年の春闘は円安と消費税引き上げにより実質賃金が22カ月連続で減少するなかで闘われています。予定していた輸出ものびず、国内の消費が大幅に縮小しアベノミクスの失敗が明らかになるのを恐れた安倍首相は、財界に賃上げを要請しました。しかし賃上げは法人税減税を受ける大企業でも1%程度で、中小での実質賃上げゼロもしくは千円以下となっています。

私たちは職場での賃上げ交渉と同時に、中小企業賃上げを可能とするために下請単価の大幅な引き上げを求めてきました。これまで「内部留保を吐き出せ」というのは全労連と共産党だけだと言われてきました。しかし昨年来世界で話題となっているピケティは日本の企業の内部留保率が世界でもずば抜けて高いことを指摘し、デフレを脱却するためには労働者の賃上げが有効だと言っています。さらに麻生財務大臣までもが内部留保を貯めこんで使わない企業を「守銭奴」とまで言いだす始末です。下請単価の引き上げの声はますます大きくなっており、政府も業界に対し取引価格の適正化を要請しています。愛知でのたたかいが世論作りに大きな役割を果たしてきました。

いっぽう国会では安倍首相が悪法の成立を強引に進めようとしています。昨年は武器輸出の解禁に続き、集団的自衛権の行使を閣議決定で容認。そして今国会で戦争立法を企んでいます。これがいま、どんなに重要な事態になっているかは、ご来賓に愛知県弁護士会の憲法問題委員会花井委員長が来ていただいている事でもわかると思います。愛知県弁護士会からあいさつをいただくのは、少なくとも労働戦線が再編されて25年で初めての事です。私達も6月14日の大集会に全力で取り組みたいと思います。

また労働法制の大改悪にむけて、厚生労働委員会で医療改悪法案が強行採決されました。厚労省の資料によれば、派遣切りの反省で作られた「みなし規定」が9月になると適用されてしまうので、その前に「改正」すると言うのです。自分が作った法律が施行されてしまうので法改正を提案するなど、全くデタラメです。断固撤回を求めるものです。この改悪案の中にはメーデーの起源となった8時間労動制を無くしてしまう残業代ゼロ法案があります。世界の労働者の闘いで勝ち取った8時間労動制を日本から崩すさせるわけにはいきません。

参加者のみなさん。私達は本日、世界中の労働者と一緒にメーデーを成功させこの攻撃をはね返しましょう。

万国の労働者団結万歳。第86回メーデー万歳!

2015年5月1日

第86回愛知県中央メーデー実行委員会
実行委員長・愛労連議長 榑松佐一

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