労働者の賃上げと下請中小企業の経営を守り、地域経済の発展のため、トヨタおよび関連企業の「社会的責任」を求める要請書

2014年5月16日

トヨタ自動車株式会社 
取締役社長  豊田 章男 様

第35回トヨタ総行動実行委員会
実行委員長   榑松 佐一
連絡先:愛知県労働組合総連合

 

貴職におかれましては、自動車産業の健全な発展にご尽力されていることと存じます。

さて、今年の春闘は数年ぶりにベースアップを含む賃上げが実施されました。報道では背景に政府の強い要請があったといわれています。「成長戦略」や「経済の好循環」のために「賃上げは欠かせない」というものです。円安もあり、とりわけ輸出企業は大幅な利益増となっており、賃上げは当然です。賃上げはまた、一部大企業にとどまらず、中小下請企業や非正規労働者にも波及するものでなければなりません。

私たちはこの2月に、西三河地域の下請中小企業に対するアンケート活動を実施してきました。1048社に対し手渡しや郵送で依頼、3月末までに160社から回答が寄せられました。それによると仕事はあるが、利益がでていないことや円安になっても単価引き下げが〝要請〟されている実態が明らかになりました。さらに4月から消費税増税が実施されましたが、価格への転嫁の困難さなどの訴えも聞かれました。

私たちは、いまこそトヨタ自動車をはじめとする関係企業が下請単価の改善をはかり、下請の経営の安定を図ることやそこで働く労働者の賃上げが可能となる施策を実施されるよう強く求めるものです。

私たちは、このような立場から、大企業、とくに愛知県や日本全国にも大きな影響力をもつ、貴職が社会的な役割を発揮されるよう、以下の点について要請するものです。

  1. すべての労働者に残業がなくても生活できる賃金を保障すること。非正規労働者の正規化をすすめ、雇用の安定を図ること。
  2. 関係する職場すべてにおいて労働災害やセクハラ・パワハラを一掃すること。
  3. 中小下請企業(3次以下の下請企業を含む)への下請単価の削減をやめ、下請二法をはじめとする法律を遵守すること。
  4. 自動車排ガス公害をなくし、被害者のための新たな救済制度設立のために積極的な役割を果たすこと。
  5. 地域経済・地域社会の発展のため、貴職として積極的な施策を講ずること。
    上記、項目の実現のため、内部留保の一部を取り崩すなどの対応をすすめ、貴職が社会的役割を発揮することを要請します。

以上

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