4月20日、愛労連の最賃・公契約問題対策委員を中心とした8人が愛知労働局へ「最低賃金の引き上げ」等を求める要請をおこないました。要請項目は①地域最賃を時間額1000円以上に「日額7500円以上、月額16万円以上」と全国一律最賃制の実現、②専門部会の公開と意見陳述の実現、③監督官の増員で行政の強化と違反企業への罰則強化、④上記項目達成のため、中小企業予算増・支援策拡充について、経産局と連携しての協力を中央省庁へ働きかけることの4点について回答を求めました。労働局賃金課からは課長、主任指導官、専門官など4人が対応しました。
参加者からは「中小企業支援策」と最賃引き上げをセットでとりくむこと、とりわけ労働局と経産省の連携について愛労連が2月11日に西三河地域の製造業を中心におこなった「中小企業アンケート結果」等を示し、必要性を問いかけました。労働局側は、「一昨年『2020年までに1000円、早期に800円の実現』をめざす政労使合意が出されて以降、引き上げにあたり経営側に何らかの支援をと厚労省・経産省が『中小企業支援相談事業』を立ち上げている。企業側の支障になること・望みから相談窓口、助成金がつくられているが、活用は広がっていると言えない」と発言がありました。意見書の取り扱いや意見陳述の要望等については「審議会が判断すること」とし、それ以上の議論とはなりませんでした。
愛労連では2月の1ヵ月間、最低賃金生活体験を60人以上がとりくみ、36人分の「悲惨な体験」や「厳しい声」をまとめ、要請時にも資料として提出しました。時間額750円(1日8時間、月22日)で換算した132,000円から税金を差し引いた額109,286円で1ヵ月暮らせた人は36人中10人。しかし、達成した人たちのほとんどが「1ヵ月だけの生活」と割り切り、食費の切り詰めや商品の買い控え、交際費を我慢して「食べて寝る」だけの生活を強いられ、「肉体的にも精神的にも辛い」「この生活がつづくと思うと将来が不安」などの感想をよせています。
労働者をめぐる情勢では、骨抜き労働者派遣法成立や規制のない有期雇用契約法審議、労働者全体にふりかかる憲法違反の「公務員賃金削減」など春闘要求の前進を阻む流れが続き、このうえ消費税増税までいわれています。最賃の引き上げのとりくみは対象である非正規労働者の処遇改善のみならず、労働者の賃上げにつながる重要なたたかいです。愛労連では署名の集約を2月からスタートさせ、5万筆以上を目標に奮闘します。