2012国民春闘トヨタ総決起集会の主催者あいさつ(要旨)

集会参加のみなさんごくろうさまです。

東日本大震災から今日でちょうど11ヶ月になります。

愛知には直接的な震災の被害はありませんでしたが、一部の部品が入らないためにトヨタの生産が止まり、下請企業の7割が休業に追い込まれました。朝日新聞(5/29)は「利用するだけ利用して冷たい」「コスト削減要求しないで」と中小企業の声を一面に掲載しました。下請企業が「在庫を持たない『カンバン方式』は自分勝手だ」と怒るとおり、トヨタだけが儲かる「ジャストインタイム」がこの原因です。

夏には節電を口実に土日稼働を強制しました。下請企業と労働者・家族に大きな負担を強いて、トヨタだけが何億円も電気代を減らしました。市民からは「来年は絶対やりたくない」という声がでています。トヨタは「日本原子力産業協会」の中でも重要な役割を担って来ました。

私たちはこの間、中小企業アンケートに取り組み、下請単価引き下げに苦しむ中小企業のみなさんの声を聞いてきました。最低賃金審議会では中小企業団体の委員が労組委員に対して「大企業に発信して、(最低賃金引き上げによる)賃上げ部分のコストを吸収していただくような方向で大企業にやっていただ」きたいと発言しました。しかし、大企業労組選出の委員は努力するどころか反論する始末でした。大企業労組は下請企業労働者のことには耳すら貸しません。

昨年末に野田政権は消費税の大幅引き上げの決意を固めました。NHKの報道では54%の中小企業が消費税を価格に転嫁できていないと応えています。同じ番組でトヨタ労組出身の民主党議員は元請け企業が「優越的地位を利用して価格転嫁をさせないことがあってはならない」と言っていました。しかしトヨタは消費税が上がっても「協力」の名で、それ以上の単価引き下げを要求してきたことは愛知の下請企業みんなが知るところです。トヨタには毎年数千億円の輸出戻し税が還付されており、消費税が2倍になれば還付金も2倍になるため、トヨタは消費税の引き上げも強く要求しています。

3年前に愛知で起きた「日本一の派遣切り」、そして今回の操業停止、また福島第一原発の事故も「利益第一主義」がその根本原因です。この十年間にトヨタなど大企業は利益を倍増させる一方で、労働者の賃金は減り続け、雇用はますます不安定になっています。そのトヨタ社長の税負担率は社員の半分だと言うのです。

トヨタ総行動は一貫してトヨタの社会的責任を追及してきました。トヨタとその関連で働く労働者の命と健康・働く権利を守る重要な役割を果たしてきました。今年もまた外国人労働者の権利を守るたたかいが大きく前進し、過労死をなくす運動は法制化にむけて動き出しました。

消費にも生産にも使われない「余った金」が利益を求めて地球中をさまよっています。世界中で「貧困と格差」に反対する運動がひろがっています。私たちは決して少数ではありません。「我々は99%だ」のたたかいに連帯し、このトヨタから全国、世界の仲間に大きくアピールしましょう。

2012年国民春闘を全力で闘いましょう。

2012年2月11日

第33回トヨタ総行動実行委員会
実行員長(愛労連議長) 榑松佐一

 

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