大阪市の橋下市長は9日、「アンケート調査について」の文書をだした。このアンケートは「労使関係に関する」調査を名目にはしているが個人を特定し、政治活動、知人関係を勤務時間外にまで調査するもので、人権を侵害する違法な内容になっている。このようなアンケートは直ちに中止するべきである。
アンケートは「知り合いの住所を知らせたり、街頭演説を聞いたりする活動も含」めた「特定の政治家を応援する活動」について「誘った人、誘われた場所、誘われた時間帯」など勤務時間の内外を問わず詳細に記入を求めている。この他にも投票の要請や知人の紹介の有無から「職場において選挙のことが話題になったことはあるか」など詳細に記入を求めている。このような「思想調査」が行政の長によって行われることが許されるはずがない。 また選挙活動とは関係の無い「組合に加入することによるメリットをどのように感じていますか」や「組合にどのような力があると思いますか」「自分の納めた組合費がどのように使われているかご存じですか」ことを記入させている。市長は「使用者」の「長」であり、「労働組合の運営に支配介入」することは労働組合法第7条が禁ずる「不当労働行為」にあたる。
橋下市長はこのアンケートを「市長の業務命令」であり「正確な回答がなされない場合には処分の対象となりえ」るとしている。「誘った人」「要請した人」「言われた相手」など「通報窓口に無記名で情報提供」する方法を示しておいて、「自らの違法行為について、真実を報告した場合、懲戒処分の標準的な量定を軽減」するとしている。まるで市長自らを秘密警察の長官とでも思っているかのような独裁ぶりである。
私たちは大阪市においてこのような思想調査が行われることを看過する事はできない。橋本市長に断固抗議し直ちに中止することを求める。また民主主義を求める県下の市民、団体、マスコミ関係者に事態をしらせ、橋下市長への抗議を訴えるものである。
2012年2月13日
愛知県労働組合総連合
議 長 榑松 佐一