愛労連2012国民春闘 闘争宣言

みなさん

私たちは本日、臨時大会を開催し、賃金引き上げ・雇用の拡大、「消費税増税と社会保障解体」阻止を最大の課題として、労働者・労働組合の総力を結集してたたかう方針を確立しました。

昨年3月の東日本大震災・福島原発事故は、日本の社会・経済にも深刻な影響をあたえました。政府・財界は震災を口実に、さらに行政の広域化や民営化、大型開発による〝復興〟を強調、くらし・生業の復旧を求める被災者・県民との間でするどい対決が浮き彫りになっています。震災復興・脱原発とのたたかいは、「憲法第25条=人間の生存権」を基本にすえたものでなければなりません。被災者・県民と連帯したたたかいを大きく広げていきます。

みなさん

労働者の賃金は下がり続け、また若者が「仕事につけない」という異常な事態が続いています。大企業はあいかわらず「グローバル競争力の強化」をくり返し主張し、リーマンショック、3.11大震災、タイの洪水などによる生産の落ち込みを労働者・下請に押しつけ、利益を回復させています。トヨタ自動車は11年3月末の段階で13兆8630億円もの内部留保をためこんでいます。そのわずか1%を使えば46000人の雇用が拡大するほか、非正規を含むトヨタの全労働者に1万円の賃上げをするには0.47%でまかなえるというものです。にもかかわらず、トヨタ労組は「ベア要求」をしないことを決めました。そしてこの「ベアゼロ」が下請単価切り下げの口実にされてきました。これ以上の単価切り下げは、下請企業の死活問題です。これを許すわけにはいきません。

昨年来とりくんできた愛労連の「最低生計費調査」では、「25歳・単身者で年額267万円以上必要」だという結果がでました。私たちはこの調査結果をもとに、「25歳・単身者 300万円の賃金はあたりまえ」の要求を前面に押しだし、大企業の社会的責任の追及、賃金切り下げに歯止めをかけるたたかいを職場・地域ですすめていきます。

みなさん

民主党野田政権は、大企業に対する法人税減税をすすめる一方、「社会保障と税の一体改革」で消費税10%への引き上げ、社会保障の全面的な改悪をすすめようとしています。また沖縄では、普天間基地の辺野古「移設」強行の姿勢をあらわにし、沖縄県民の願いをふみにじりました。

野田政権は、「国民の生活が第一」というマニフェストを完全に投げすてました。またTPP参加問題でも国論を二分するような反対運動が大きく盛りあがり、民主党内にさえも慎重論があるにもかかわらず、米オバマ大統領に「結果をだせ」と迫られ、参加を表明。日本の経済・社会を根底からくつがえすTPP参加を積極的にすすめています。また、労働者派遣法についてもみずからの「改正」案そのものを放棄し、製造業派遣・登録型派遣容認の「改悪案」を通常国会で成立させようとしています。

2012国民春闘はいよいよ本番をむかえます。

労働者のくらしと雇用、地域経済を守るとともに、国民の苦しみの根源である「財界本位とアメリカいいなり」の政治に決別するたたかいを、この春闘をとおしてすすめていきましょう。「2.11トヨタ総行動」、「2.23地域総行動」、「3.11明日につなげる大集会」などをとおして、「こんな政治を放置しておけば私たちの未来はない」ことを強く訴えていこうではありませんか。

以上宣言します。

2012年1月22日
愛労連第46回臨時大会

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