新規高卒者の求人確保と就職保障を求める要請書

2011 年12 月12 日

愛知県商工会議所連合会
会長 髙橋治朗 様

青年の就職保障と労働を考える愛知県連絡会(就職連絡会)
事務局代表 愛知県労働組合総連合
議 長 榑松佐一
愛知県高等学校教職員組合
執行委員長 笹山茂晃
名古屋市立高等学校教員組合
執行委員長 小島俊樹

【参加団体】愛知県労働組合総連合、愛知県高等学校教職員組合、全労働愛知支部
愛知県私立学校教職員組合連合、名古屋市立高等学校教員組合
日本民主青年同盟愛知県委員会、愛知県学生自治会連合
愛知県教職員労働組合協議会、あいち公立高校父母連絡会

貴職の日頃の高校生の就職保障についてのご尽力に敬意を表します。

さて、厚生労働省は9月末現在の高校・中学新卒者の就職内定状況を発表しました。高卒新卒者の求職者数174,297 人に対し、就職内定者数は72,410 人で、内定率は41.5%となっています。内定率は前年同期を0.9 ポイント上回っており、求人倍率も0.92 倍となり、前年同期を0.05 ポイント上回っています。昨年より改善したといっても、どちらも微増に過ぎず、新規高卒者の就職状況は昨年同様依然として厳しい様相を呈しています。

この愛知でも、10 月末段階(11 月上旬に調査)で就職内定率は81.8%(愛高教調査)となっています。男女別にみても、男子87.9%、女子77.0%と男女格差が顕著で、とりわけ女子生徒が深刻な状況にあります。

高校の進路指導の教員からは「求人件数が増加したといっても微増であり、高い倍率は相変わらず続いている」「商業高校の女子生徒の多くが希望する事務・販売等の職種が激減しており、企業も短大や四大に求人をシフトする傾向があって困っている」「求人数が少なすぎて、生徒が事業所を選択する余地がないので、国として支援をお願いしたい」など、進路指導に苦慮する声が組合本部に寄せられています。

高校生の就職状況は深刻な事態となっていることは明らかで、このままでは就職先もなく、卒業後の進路さえ決まらずに卒業していく生徒が昨年に引き続き、大量に生み出される可能性があります。

私たちは、高校生が卒業して社会人としてスタートするときに、失業者であってはならないと考えます。

ハローワークを中心とした高卒就職ジョブサポーター、就職面接会等の開催、「3年以内既卒者トライアル雇用奨励金」など、労働局による支援策は現場の進路指導でも歓迎されていますが、その一方で「支援策の結果は今後のことなので先が不安である」「企業まかせの支援策であり、今後雇用に結びつくのかよくわからない」といった声も寄せられているので、各企業においてもいっそうの努力を望みます。

以上のことをご勘案いただき、高校生の就職問題の解決に向けて下記のことを要請いたします。

  1. 高校生・青年、特に新規高卒者の就職希望者全員が就職できるよう、採用枠の拡大にいっそうの努力をすること。特に女子生徒の求人に対する特別な手立てをすること。また、特別支援学校卒業者の雇用を促進するため、障害者の法的雇用率を守るよう各企業に対し要請すること。
  2. 厚労省の「新規学校卒業者の採用に関する指針」にもとづいて、高校・大学生の「内定取り消し」や、「採用待機」といった事態が起こらないよう、傘下企業へ働きかけを強化すること。
  3. 非正規雇用の正規化、サービス残業の根絶、年休完全取得等、働くルールの確立をはかるよう経済団体として積極的に取り組むこと。

以上

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