連年の「マイナス勧告」の強行で、公務員賃金は2000年以降、年収で50万円以上引き下げられてきました。また職場では、公務員削減による要員不足のもとで、長時間・過密労働が強いられ、職員の健康破壊も深刻です。
こうしたもと、賃上げによる生活改善、働きがい、生きがいが持てる職場づくりへの要求は、ますます切実になっていることから、私たちは、正規・非正規を問わずすべての公務労働者の賃金底上げ、初任給の改善、慢性的な超過勤務の縮減、臨時・非常勤職員の処遇改善などを求め闘ってきました。
しかし、人事院は、この間の交渉において、「官民の給与格差が相当程度残存している」などとして、05年の給与構造見直しにおける給与水準引き下げに対する現給保障について、来年4月で打ち切ることを表明しました。これは、実質的な賃下げとなり、とりわけ高齢層にとっては二重三重の賃下げをせまるものであり、現給保障の継続を強く求めるものです。
また、勧告と同時に定年延長にむけた「意見の申出」が予定され、制度見直しの「素案」では、60歳超の職員の年間給与を60歳前の7割水準に引き下げるとしています。定年年齢を延長するならば、何よりもまず働き続けられる職場環境をつくるべきであり、賃下げと引き替えの定年延長には断固反対するものです。
政府は人事院勧告制度にもとづかない「賃下げ法案」を「極めて異例の措置」などとして閣議決定し法案提出を強行しました。その一方で、民間の賃金水準や景気回復への影響、震災の復旧・復興にむけた公務労働者の奮闘に応える観点から、公務労働者の積極的な賃上げが国民的にも求められる情勢となっています。
こうした点からも、今年の勧告では単なる「民間準拠」にとどめることなく、民間も含めた全ての労働者への影響も踏まえ、賃金底上げと労働条件改善に人事院として積極的な役割を果たすこと、またルール無視の「賃下げ法案」に関しては「撤回が必要」との「意見の申出」を早急に行うよう強く要求するものです。
以上、決議します。
2011年9月6日
9.6人事院中部事務局包囲総行動昼休み決起集会
共催団体
愛知県労働組合総連合
愛知県公務・公共業務労働組合共闘会議
国家公務関連労働組合中部ブロック協議会