公的年金業務は国の責任で、国による直接実施を求める申し入れ

2011年7月20日

厚生労働大臣 細川律夫 殿
民主党愛知県連 代表 中根康浩 殿

国の責任で、安心して暮らせる年金制度をつくる愛知連絡会
社保庁不当解雇撤回闘争・愛知支援共闘会議

日本年金機構が発足して1年7ヶ月余りとなりました。年金機構は、昨年1月の発足時にも正規職員や准職員に多数の欠員を生じていましたが、今日に至っても千人を超える欠員を抱えています。頻繁な入離職が繰り返されていることは、専門的な知識と経験が求められる年金業務が損なわれていることを示すものであり、大問題です。

国民の信頼を回復するとして社会保険庁を廃止して設置した日本年金機構ですが、事務処理のミスが多発し、年金相談対応などのサービスも低下しています。また、業務の民間委託も正確な年金業務や国民の信頼確保などの点で齟齬を来しています。日本年金機構法に明記された「国民の信頼を基礎として常に安定的に実施されるべきもの」との基本理念や2009年7月に閣議決定された基本計画の「とりわけ、業務が正確に遂行されることが、国民にとっての最大の関心事であり、これを重視する」との理念は全く履行されていないと言わざるを得ません。

年金機構のこれらの問題は、国民の信頼どころか、まさに国民の年金権保障を損ないかねないものであり、直ちに是正しなければなりません。年金機構の大きな問題は、業務に習熟した職員が決定的に不足していることであり、年金機構を希望する旧社保庁職員が正規職員としてその経験と能力を発揮することがとりわけ重要です。

国民の老後を支える公的年金は、安心して老後を過ごせる給付水準が不可欠です。同時に、安心・信頼できる制度と管理運営体制にするためにも、公的年金は、国の責任で直接実施することこそが求められます。社会保障改革の名のもとに支給開始年齢の延伸や給付削減など年金制度を改悪するのではなく、以下の事項の実現に誠意を持って対応するよう求めるものです。

1.国民の信頼を回復するために、専門的、安定的な業務運営体制を確立してください。

① 旧社会保険庁職員の分限免職を撤回し、年金機構の正規職員として採用してください。
② 年金機構の欠員を早期に解消し、年金記録問題の早期解決や専門的業務運営を確保するため、業務体制を拡充してください。
③ 年金業務の市場化テスト、業務請負などの外部委託は見直し、直接実施としてください。
④ 年金機構の非正規職員の労働条件を改善し、安定的な雇用を実現してください。

 

2.安心・信頼できる年金制度を確立してください。

① 消費税によらない全額国庫負担による最低保障年金制度を早急に創設してください。
② 年金受給資格期間を当面10年に短縮してください。

 

3.年金制度は国の責任で、国の機関で直接運営してください。

以 上

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